2026年09月 百貨店のニュース

西武渋谷店58年で幕、売上高はピークの4割に 「小売りの王様」百貨店は淘汰の時代
2026年9月29日
そごう・西武の西武渋谷店は30日に最終営業日を迎え、1968年の開業以来58年続いた歴史に幕を下ろす。閉店対象は「A館」「B館」「パーキング館」で、土地・建物所有者との賃貸借契約がまとまらなかったことが主因であり、「ロフト館」「モヴィーダ館」は営業を続けるものの、西武渋谷店の看板は外され、社員約230人は配置転換される。
同店は、堤清二氏が率いたセゾングループを象徴する存在で、1970~80年代には気鋭のデザイナーによるDCブランドの聖地として人気を集めた。しかし、周辺施設との競争や消費者の嗜好変化に対応しきれず、契約更新の難航もテナント誘致を妨げた結果、売上高は1990年度の約967億円から2025年度には約400億円へと縮小した。
百貨店業界全体も、バブル崩壊とデフレ経済下の「失われた30年」に伴って衰退し、全国売上高は1991年の約9兆7130億円から2025年には約5兆6754億円へ減少した。また、店舗数は1999年の311店から昨年の176店まで減り、今年1月から来年8月にかけても8店舗の閉店が見込まれている。 都心部では、円安による訪日客の免税購入や株高を背景とした富裕層の高額消費により好調な店舗もある一方、地方では人口減少、顧客の高齢化、中心市街地の空洞化が進み、ECサイトやショッピングセンターとの競争も激化している。消費者向けEC市場は2024年に約26兆1000億円へ拡大し、百貨店の苦境を一層深めている。
そごう・西武は米投資ファンド傘下で再建を進めるが、今後も淘汰が進み、百貨店の店舗数が大幅に減る可能性がある。ただし、百貨店固有のブランド力や接客力を高められれば、選別後に残った店舗がより高い収益を得る余地もあり、業界は構造不況からの脱却策を問われている。
「これ知ってますか! 貴重なマシーンです」50年以上・現役のラウンド什器、デパートのクルクル回るお菓子売り場に「大人になってもワクワク」
2026年9月20日
金沢市の百貨店「香林坊大和」で、色とりどりのお菓子を載せた棚全体がゆっくり回転する売り場が現役で使われており、SNSで話題になった。投稿者は催事の販売応援中にこの光景を見つけ、幼少期に見た売り場を思い出して撮影したという。
正式名称は「ラウンド什器」、売り場名は「Gram(グラム)」で、1959年に名鉄百貨店へ初導入された。現在も西日本を中心に約20店舗で大切に使用されており、小倉の井筒屋などでも確認されている。 投稿には、祖父母にお菓子を買ってもらった記憶や、回るお菓子を見て大人になっても心が躍るという声が多数寄せられた。投稿者は、多くの人が幼い頃の輝かしい思い出をよみがえらせてくれたことを喜び、什器がこれからも長く活躍するよう願っている。
ヨドバシカメラ「16日開業」発表 名鉄百貨店本店本館があった名鉄ビルに
2026年9月6日(日)
ヨドバシカメラが、名鉄ビル(旧名鉄百貨店本店本館、名古屋市中村区)に「ヨドバシカメラ マルチメディア名鉄名古屋店」を16日に開業すると発表した。店舗は地下1階から地上4階の5フロアで売り場面積約1万1900平方メートル、営業時間は午前9時半~午後10時の年中無休である。名鉄は、今年2月に閉店した旧名鉄百貨店ビルについて解体までの間もテナント誘致を続けていることと合わせて、同ビルの商業利用が継続される見通しである。
経営再建進める百貨店の山形屋、最後のサテライトショップを来年3月末で閉店…土地売却で財務の健全性高める
2026年9月5日
山形屋(鹿児島市)は私的整理で経営再建を進める中、1991年開店の「サテライトショップ谷山」を来年3月末で閉店すると発表した。これにより事業再生計画開始後に閉店した姶良市の店舗と合わせて全サテライトショップがなくなる。サテライトショップ谷山店は中元・歳暮向けのギフト機能に加え衣料品や雑貨、食品を販売する黒字店舗だが老朽化したため土地を売却して財務健全化を図るとしている。さらに、アルバイトを含む計43人の従業員については人員削減を行わず、グループ内で配置転換する方針である。宮崎山形屋運営の店舗も含め今回で事業再生計画開始後7店目のギフトショップ・サテライトショップ閉店となる。
8月百貨店売上速報|三越伊勢丹・阪急阪神・高島屋の3社は増収
2026年9月2日
主要百貨店4社が8月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比104.2%、大丸松坂屋百貨店は98.3%、阪急阪神百貨店は106.8%、高島屋は105.3%だった。
(株)三越伊勢丹ホールディングス 国内百貨店合計売上が前年同月比104.2%となり、伊勢丹新宿本店は107.0%、三越日本橋本店は114.9%、三越銀座店は101.2%、伊勢丹立川店は96.2%、伊勢丹浦和店は93.5%で、首都圏5店の既存店合計は106.4%を記録し、特に基幹3店がけん引した結果、全体の回復基調が継続している。さらに国内顧客では宝飾時計やラグジュアリーブランドのハンドバッグ、婦人服といった高付加価値商品の販売が好調で、識別顧客の活発さに加え、伊勢丹新宿の「ISETANカレーフェス2026や三越日本橋本店の「国展2026」など集客イベントが新規顧客創出に寄与した。また海外顧客についてもハンドバッグや宝飾時計などの高付加価値商品への支持が続き、海外外商ら人手によるサービス提案で客単価が上昇し、来訪元の多様化やアプリ会員獲得が進むことで海外の主要顧客との関係が順調に拡大し、全国計では前年同月比113.3%を達成している。
J.フロントリテイリング 8月度決算では、大丸松坂屋百貨店合計の既存店売上高が前年同月比98.3%で、百貨店事業全体では博多大丸や高知大丸を含めて99.4%となり、対前年で若干の減収となったが、外商が好調で15店舗中9店舗が前年を上回り、札幌店と博多大丸は二桁増を記録した。しかし免税売上は前年を下回り、梅田店の売場縮小と前年の万博会場売上の反動減が重なったため、大丸松坂屋合計は対前年1.7%減(梅田店を除くと3.0%増)、百貨店事業合計は0.6%減(同3.8%増)となり、免税売上高は速報値で対前年1.5%減(梅田店除くと4.7%増)で、客数が22.1%減る一方で客単価は26.4%増加し、国内売上高(免税除く)は対前年1.7%減であった。
エイチ・ツー・オーリイング傘下の阪急阪神百貨店の8月売上高は前年同月比で約1割増の106.8%で、阪急本店は110.0%、阪神梅田本店は105.4%と都心店と郊外店ともに前年を上回り、4月以降2桁伸長が継続しているため、国内顧客・免税・店舗全体ともに8月として過去最高を更新した。特に国内顧客の売上は前年の過去最高に対してさらに約1割増と高い伸びを示した。さらにインバウンドでは中国からの個人客売上は依然約5割減と厳しいが、中国を含む海外VIP客の売上が前年の約1割増で牽引し、免税売上高全体は3月以降継続して前年を上回り8月として過去最高を記録している。
阪神梅田本店は大型催事の開催時期後ろ倒しの影響を受けつつも、催事を除く店頭売上が約1割増で好調が続き、特にファッション・ライフスタイルが前年から約2割増、食品も約1割増と高い成長を維持している。
(株)高島屋 既存店売上高は高島屋単体で前年同月比105.3%、子会社含めても105.1%となり、主要店舗やECで全体的に増収が続いている。
8月度は日本橋店や新宿店が特に好調で、日本橋店111.7%、新宿店110.3%、泉北店106.9%、京都店106.2%、横浜店102.7%、柏店102.3%、玉川店101.2%、岡山店100.5%、大宮店99.8%、大阪店99.8%、高崎店98.8%、EC店は113.5%とECが突出して伸びた。国内顧客はラグジュアリーブランドを中心に高額品や食料品も堅調で前年を上回ったため、紳士服・婦人雑貨・特選衣料雑貨・宝飾品・呉服・子供関連・ホビー・スポーツ・リビング・食料品・サービスといった商品別でも多くが前年実績を上回る結果となっている。
東武宇都宮百貨店大田原店、24年の歴史に幕 顧客が別れを惜しむ
2026年9月2日
栃木県北部で唯一の百貨店だった東武宇都宮百貨店大田原店は、2002年9月に旧上野百貨店の店舗を活用して開業して以来、地域密着の「新郊外型百貨店」として家族客を中心に支持され、従業員約400人を地元採用で運営してきました。しかし、大型量販店の進出やネット通販の普及など環境変化で売上は2005年度の約59億円をピークに下降し、2025年度は約37億円に落ち込み、賃貸借契約満了と多額の設備投資が重なったため、東武宇都宮百貨店は2025年11月に閉店を決定し、2026年8月31日に24年の歴史に幕を下ろしました。
最終日は前年同期の約5倍に当たる約1万3千人が来店し、店内のメッセージボードには約8千件の感謝や惜別の言葉が寄せられ、駐車場は開店10分ほどで満車となるなど多くの市民が別れを惜しみ、店長や従業員への感謝を示しました。大田原市長も残念がる一方で企業判断を受け入れる姿勢を示し、東武側は常設のギフトセンターは難しいが、お中元やお歳暮など季節ごとの臨時カウンター設置を検討しており、空き店舗の活用方法は未定のままです。


