5月のインバウンド売上、前年比16.7%増の496億円


日本百貨店協会が6月25日に発表した5月の全国百貨店における外国人旅行者向け免税売上高(インバウンド売上高)は、前年同月比16.7%増の約496億6千万円となった。増加は3か月連続。一方、1〜5月の累計売上高は2437億円で、前年同期比1.1%減となった。累計の減少率は、同期間の訪日客数の変化率とほぼ同じ水準となっている。
(図表1、2参照)
百貨店全体の売上は5か月連続プラス、国内客も堅調、株高が高額品を押し上げ
5月の全国百貨店売上高は前年同月比8.3%増の4683億円余となり、5か月連続で前年実績を上回った。インバウンド売上が2桁増を維持したほか、売上の9割を
占める国内客も7.4%増と堅調だった。
日経平均株価は昨年末の5万339円から、5月初めに6万2000円台、月末には6万6000円台へと上昇。株高による資産効果が富裕層の購買意欲を刺激し、時計や宝飾品など高額品が大きく伸びた。
このほか、休日日数が前年より2日多かったことや、各社が実施した物産展・海外催事などの企画も集客に寄与した。一方、売上に占めるインバウンド比率は前月の11.8%から10.6%へとやや低下した。
インバウンド購買客数は7か月連続減、中国の渡航自粛要請が影響
5月のインバウンド購買客数は前年同期比6.3%減の約50万3千人となり、7か月連続で減少した。2025年11月に中国政府が出した訪日渡航自粛要請の影響が続き、中国からの購買客数は約3割減、売上高も約5%減となった。
一方、香港、台湾、韓国、マレーシア、シンガポールからの来店は売上・客数ともに大幅に増加し、全体を下支えした。国別順位は前月と変わらず、中国が最多で、台湾、韓国、香港、タイ、シンガポール、マレーシアが続いた。
一人当たり購買単価は5か月連続増、円安と高額品の価格上昇が押し上げ
一人当たり購買単価は前年同月比24・5%増の約9万8千円。円安基調に加え、高額品の価格上昇が単価を押し上げ、5か月連続で前年を上回った。
人気商品は化粧品とハイエンドブランド、上位5品目が売上を牽引売上構成の上位5品目は、
- 化粧品
- ハイエンドブランド品
- 食料品
- 婦人服飾雑貨
- 婦人服
となり、引き続きインバウンド需要を取り込んだ。
5月の訪日客数355万人、2か月連続減少 欧米・アジア堅調も中国大幅減

日本政府観光局(JNTO)は6月17日、5月の訪日外国人旅行者数(推計値)が355万9900人となり、前年同月比3.6%減だったと発表した。減少は2カ月連続。ただし、減少幅は4月の5.5%から縮小した。1〜5月の累計は1、793万人余りで、前年同期比1.1%減となった。

減少の主因は中国からの訪日客の落ち込みだ。中国政府による渡日自粛要請や航空便の減便などの影響で、訪日客数は前年同月比47.7万人減(60.4%減)の31万人余りにとどまり、6カ月連続で前年を下回った。
一方、5月は桜と夏休みの中間期で訪日需要が落ち着く時期とされるが、韓国、台湾、シンガポール、マレーシア、米国、ドイツなどでは祝日やスクールホリデーが重なり、訪日客が増加した市場もあった。
(図表3参照)
韓国が最多95万人、全体の8割強の国・地域が5月として過去最高

国・地域別では、韓国が95万1、300人で最も多く、前年同期比15.2%増となった。次いで台湾62万人、米国33万人、中国31万人、香港21万人の順で、上位5か国・地域で全体の約68%を占めた。
全23の国・地域のうち、5月として過去最高を記録したのは、韓国、台湾、米国、豪州、フィリピン、カナダ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、英国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、ロシア、中東地域、メキシコ、北欧地域、スペインの19か国・地域だった。
(図表5参照)。
上位5か国の動き
● 韓国:951、300人(前年比15.2%増)。
訪日人気の継続や航空座席数の増加、祝日の影響により、5月として過去最高を記録した。
● 台湾:616、800人(前年比14.6%増)。
GW期間を避ける動きはあったものの、訪日人気と航空座席数の増加により、5月として過去最高となった。
● 米国:333、700人(前年比7.0%増)。
祝日による需要増や混雑期を避けた訪日需要があり、5月として過去最高を記録した。
● 中国:313、000人(前年比60.4%減)。
渡航控えの注意喚起や航空便減便、5月末に始まった端午節が今年は6月中旬となったことなどにより、前年同月を下回った。
●香港:207、900人(前年比7.7%増)。
航空座席数とGW期間を避ける動きがあったものの、祝日の影響などにより、前年同月を上回った。
外国人宿泊者数、4月は前年比9%減 地方では増加傾向に、台湾・米国・韓国が宿泊上位 5か国で全体の半数超

観光庁が5月29日に発表した宿泊旅行統計(第1次速報)によると、4月の延べ宿泊者数のうち外国人は、前年比9・0%減の1573万人泊となった。
3月の国籍別の延べ宿泊者数(第2次速報)は、台湾(193万人泊)、米国(169万人泊)、韓国(145万人泊)、中国(100万人泊)、香港(57万人泊)が上位を占め、これら5か国で全体の53.1%を占めた。
三大都市圏と地方部(三大都市圏以外の道県)における外国人延べ宿泊者数の比較では、三大都市圏が934万人泊で前年同月比6.8%減となり、構成比率は前年の67.7%から65.4%へ低下した。一方、地方部は、前年同月比3.2%増の494万人泊となり、構成比率も34.6%へ上昇し、リピーターが地方へ分散する動きが見られた。
都道府県別の外国人延べ宿泊者数の前年同月比では、鳥取県が最も伸び(78.5%増)、次いで茨城県(57.4%増)、兵庫県(56.7%増)、長崎県(54.4%増)、福島県(51.2%増)が続いた。


