4月のインバウンド売上高、520億円超え 前年比18.3%増

日本百貨店協会は5月25日、2026年4月の全国百貨店における外国人旅行者向け免税売上高(インバウンド売上高)が2か月連続で前年を上回り、前年同月比18.3%増の約520億1千万円となったと発表した。円安基調が継続する中、購買単価の上昇したことが要因としている。


(図表1、2、3参照)
4月全国百貨店売上高、5.2%増で4か月連続プラス、インバウンド比率は11.8%に上昇
4月の全国百貨店売上高は前年同月比5・2%増の4421億円余となり、4か月連続のプラスとなった。売上の9割を占める国内客が堅調で、全国的に気温が高めに推移したことから春物衣料品や雑貨が好調だったほか、株高による資産効果を背景に、時計・宝飾など高額品の動きも活発だった。
また、各社が実施した物産展や食品催事等の施策が奏功し、来店促進に寄与した。インバウンド売上高の構成比は前月の9.2%から11.8%に増加した。
インバウンド購買客数は6か月連続減も減少幅縮小
4月のインバウンド購買客数は前年同期比6.0%減の約49万1千人となり、6か月連続の減少となった。ただし、減少幅は前月の12.3%減から6.3ポイント改善した。25年11月に中国政府が行った訪日渡航自粛要請の影響で、中国からの購買客数は約3割減となったものの、売上高は約2%減まで回復した。
一方、台湾、韓国、東南アジアなど他国の売上が増加したことから、全体の売上高は前年同月比18.3%増となり、2026年1月〜4月では最高の売上高となった。
国別の順位は前月と変わらず、中国が最多を維持し、台湾、韓国、香港、タイ、シンガポール、マレーシアが続いた。
一人当たり購買単価は10万5千円
一人当たり購買単価は、円安を背景に4か月連続で前年を上回り、前年同月比25.9%増の約10万5千円となった。
人気商品は化粧品とハイエンドブランド
売上構成の上位5品目は、化粧品、ハイエンドブランド品、食料品、婦人服飾雑貨、子供服・雑貨だった。
4月の訪日客数369万人、5.5%減 1〜4月累計は2 年連続1400万人超も前年割れ

日本政府観光局(JNTO)は5月20日、4月の訪日外国人旅行者数(推計値)が前年同月比5.5%減の369万2200人となり、1〜4月の累計は2年連続で1400万人を超えたと発表した。
ただし、前年比では3か月ぶりに前年割れとなり、1〜4月の累計も前年同期比0.5%減へと転じた。
昨年は4月だったキリスト教の復活祭(イースター)休暇が、3月にもまたがったことから、欧州を中心に訪日需要が3月下旬と4月上旬に分散したものの、桜シーズンの需要増により韓国、ベトナム、米国などは増加した。
一方、中国は前年11月から続く渡日自粛要請の影響により、訪日客数は約33万人となり、前年同月比56.8%減と大幅に落ち込み、5か月連続で前年を下回った。
さらに、2月末からの米国・イスラエルとイランの戦闘により、中東湾岸地域の航空便が運休・減便となった影響で、中東経由の欧州からの訪日客が減少した。イタリアは34.2%減の3万人となるなど、欧州を中心に前年を下回った国が多い。加えて、ホルムズ海峡封鎖による原油高に伴い航空運賃が上昇したことも、訪日需要に影響し始めたようだ。
(図表4参照)。
韓国が最多87万人 4月の訪日客、上位5か国で65%


国・地域別では、韓国が87万8600人で最も多く、前年同期比21.7%増となった。続いて台湾(64万人)、中国(33万人)、米国(33万人)、香港(23万人)の順で、上位5か国・地域で全体の約65%を占めた。
単月で過去最高を記録したのはフランス。また、4月として過去最高となったのは、韓国、台湾、米国、シンガポール、マレーシア、タイ、インド、フランス、ロシアの9か国だった。
(図表6参照)
上位5か国の動き
韓国
87万8600人(前年同月比21.7%増)。訪日人気の継続に加え、釜山〜下地島の新規就航や仁川〜成田・仙台の増便などが寄与し、4月として過去最高を記録した。
台湾
64万3500人(同19.7%増)。訪日人気の継続に加え、台北桃園〜福岡、台中〜成田の増便、台北桃園〜富山のチャーター便運航、さらに4連休の影響もあり、4月として過去最高となった。
中国
33万700人(同56.8%減)。訪日需要が落ち着く時期であることに加え、中国政府による日本への渡航控えの注意喚起や航空便の減便が影響し、前年同月を下回った。
米国
33万人(同0.8%増)。イースター休暇の期ずれによる需要の前倒しはあったものの、訪日人気の継続により、4月として過去最高を記録した。
香港
22万6000人(同14.3%減)。航空座席数の減少や、イースター休暇の需要が3 月下旬に前倒しで発生した影響などにより、前年同月を下回った。
1〜3月インバウンド消費2・3兆円、第1四半期として過去最高 中国半減も欧米豪が牽引し2.5%増

観光庁が4月15日に発表した26年1〜3月期の訪日外国人旅行者による国内消費額(インバウンド消費)の一次速報値は、前年同期比2.5%増の2兆3378億円となり、第1四半期として過去最高を更新した。
欧米や豪州を中心に訪日客数が増加し、平均泊数が伸びたことが主な要因である。一方、中国の訪日旅行消費額は、訪日者数が前年比54.6%減となった影響で約50%減少した。しかし、その他の国・地域からの訪日客が増加したため、全体では2.5%の増加となり、観光庁はインバウンド全体として好調が続いているとみている。
訪日観光支出がもたらす波及効果は、訪日外国人消費額の約2倍とされ、1〜3月期の波及効果は約5兆円と推計されている。
国・地域別では、台湾が3884億円(構成比16.6%)で最多。韓国3182億円(13.6%)、中国2715億円(11.6%)、米国2592億円(11.1 %)、香港1482億円(6.3%)が続いた。
(表7参照)
訪日外国人1人あたりの旅行支出は22万1000円で、前年同期比0.6%減。国籍別ではフランスが40万8000円で最も高く、オーストラリア(40.4万円)、ドイツ(39.9万円)が続いた。
費目別では、宿泊費はベトナムが19万3000円で最多、飲食費はスペイン、交通費はドイツ、娯楽等サービス費はオーストラリアが最も高かった。買い物代は中東が10万1000円でトップとなった。
買い物代12%減で構成比も低下 消費はモノから体験へシフト
買い物代の消費額は、前年同期(2025年1〜3月期)の6713億円から2 0 2 6 年は5895億円へと818億円減少し、前年比12.2%減となった。また、一人当たりの買い物代支出額も、25年の6万5157円から5万5674円へと減少した。
宿泊費、飲食費、交通費・娯楽等サービス費の構成比が伸びる一方、買物代の構成比は前年の29.4%から25.2%へ低下した。これは、買物支出の多い中国人旅行者の減少、高級ブランド需要の一巡、そして旅行者の消費がモノから体験へシフトしていることが影響したとみられる。
政府、2026〜2030年度「第5次観光立国推進基本計画」を決定 観光を戦略産業に位置づけ リピーター増・地方誘客を強化
3月27日、2026年度から2030年度までの5年間を対象とする「第5次観光立国推進基本計画」が閣議決定された。計画では、①インバウンド誘客と住民生活の質の両立、②国内交流・アウトバウンドの拡大、③観光地・観光産業の強靱化の3点を政策の柱としている。
村田観光庁長官は、計画の重点として次の5点を挙げ、2030年のインバウンド6000万人・消費額15兆円の目標達成に向け、政府と民間が一体となって取り組む方針を示した。
- 観光を「戦略産業」と明記
- 量より質を重視し、リピーター増や地方での宿泊・消費拡大を目標化
- インバウンド誘客と住民生活の両立を掲げ、地方誘客やオーバーツーリズム対策を強化
- 国内旅行消費額30兆円など、日本人の国内・海外旅行促進を強化
- 「住んでよし・訪れてよし」に加え、観光産業で〝働いてよし〞実現する施策を追加


