情報とデパートその10 資本主義からの脱出 特別編 ~情報と消費の魔力~

私たち誰もが資本主義の思考に染められた中で、日常生活を営んでいます。決して大げさではなく、一人一人の生活者が常に利益の追求を至上命題として、限られた自らの資産の価値増殖を前提に物事を判断するように強いられていることは実に辛いことです。いうなれば、見えない鎖につながれているようなものです。資本主義の歴史の中で、産業革命や帝国主義が利益拡張の為の象徴的な概念であるのは周知のとおりです。
そこでは、資本家や国家が、労働者や未開の地の人たちから徹底的に搾取を行い自己の利益を増殖させていきました。資本主義の活動では、他者から利益を吸い上げるという負の一面は避けられないのです。
現代社会では、労働者からの利益の吸い上げをいかに抑制するかという観点から、雇用制度に様々なルールを設けて労働者の権利を守ろうとしています。過度な資本主義を制限するという点では重要なことですが、その結果、本来人間的結びつきを前提とし相互扶助を理念に掲げる公益団体や個々に事情を持っている個人事業者の営みにまで細かい規制がなされ、人間関係をぎくしゃくさせていることも少なくありません。一方、様々な抜け道を使って、相変らず資本家による弱者からの搾取は続いています。
消費が恐い時代
さて、今、資本主義の力が最も顕著になっているのが消費社会です。過去の搾取の時代とは異なり、消費者が欲しいモノを自由に購入出来るのは、多くの情報を事業者と共有出来る場が形成されたからです。しかし資本主義は、一見平和に見えるこの形の中でも利益追求の攻勢を止めません。いかに消費者から沢山の利益を搾取することが出来るかを追求した結果―必ずしもそれが目的ではないでしょうが―電子商取引(eコマース)が生み出されました。
世界じゅうに大量の情報を流すことができるインターネットの発明により、消費者はそれ迄とは次元のちがう量の消費情報を手に入れることが出来るのです。自らの判断でより良い物、より安いモノを探すことが出来るという点では大きなメリットはありますが、実は消費者はそうした判断を加速度的なスピードで、日々行う義務を課せられてしまったわけであり、資本主義の利益追求システムの枠内に、より強固に組み込まれたことの裏返しでもあります。
良い情報を入手する為に多大な通信費を支出し、自分の大切な時間も毎日奪われているのです。日々の鍛錬の結果として、情報取得の精度に磨きがかかることと比例して消費の量も増えていきます。更に、実際の貨幣を使わずに電子マネーで決済が済まされることで、消費量に対する警戒心も鈍くなっていくわけです。
こうした新しい形での資本主義の利益拡張システムの構築が進んでいることは、GAFAと呼ばれる情報提供会社がこれまでになかったほどの巨額の利益をあげ続けていることを見ても明らかです。
さて、資本主義の新たな魔力「情報と消費」にささやかながら対抗すること、いや利用していくことを、私はかねてより考えてきました。その具体的手段こそ、選べるガチヤガチヤランドなのです。このことを次号でじっくり説明いたします。

デパート新聞社 社主


